青空とお日さまがにあうアジサイ
- わたなべもも
- 4月24日
- 読了時間: 3分
ついこの前までネモフィラの青いじゅうたんを広げていた花夢の里は、季節ごとにすてきな花畑を用意していて、すでに初夏を彩りはじめたアジサイたちがスタンバイしている。
高原に咲くアジサイのなんて爽やかなこと!梅雨のじめじめなんてすっかり忘れてしまう。ここのアジサイは雨よりもお日さまがにあう。青空がにあう。


アジサイという花は色も種類も実に多いのだけれど、ここでは115品種、3500株…さすが、毎回期待を裏切らない。しっとり撮るビターなアジサイもよいけれど、光と戯れながら丘一面を飾るアジサイはまるでスイーツ。かわいい色の小花たちは、ケーキ屋さんに並べたいほどふんわり美味しそう。



こんもりかわいいアジサイを見ていたら、青空の下でシートを広げてごろんと寝ころびたくなった。気分はすでにピクニック。ごみを持ち帰るのならお弁当の持ち込みも自由だそう。食後にスイーツが食べたくなったら、あじさい色のソフトクリームやあじさいソーダを召し上がれ。


ここではぜひ忘れず見てほしい景色がある。
花夢の里のいちばん奥までずんずん進むと、ホワイト×グリーンの世界が突然広がるのだ。
こんな奥に、秘密の花園を隠しておくなんて…ニクイ演出だ。


繊細なレースで編んだような白い小花を、黄緑色の葉のお皿にたっぷりと盛り付けたようなアナベル。しゃがんで見上げれば、そこはもうアナベルの森だ。思い切り深呼吸すれば、森林浴をしているような清々しさ。

広角レンズで見上げて、花のフレームで空を囲んだり、望遠レンズで大きく引き寄せて繊細なレース模様を写し撮ったり。同じ花でもレンズを変えるだけでまるで違う写真になる。

アナベルのように細かい隙間がたくさんある花は、ふわふわで上質の前ボケを作り出す。これだけ花のボリュームがあれば、他にもいろんな撮り方ができそうだ。秘密の花園はまだまだいろんな秘密を隠しているかもしれない。


最後に、とても珍しいタチアオイの花畑をご紹介。


すくすくとまっすぐに伸びた茎には、パステルカラーのパラソルみたいな花がいくつもくっついている。わたしの背よりも高くそびえるその花は、アンテナのようであり、魔法の杖のようでもある。


タチアオイが3500株集まると、お花畑になるのだなあ。いや、花畑というより花森だ。
「今年の夏は、どんな日傘にしようか…。」ひらひらかわいいパラソルをじっくり見ていると、筋模様の入ったものや、真ん中がくしゅくしゅしているものなど、なかなか凝ったデザインが多い。


こんな素敵な日傘をさして、タチアオイの花森で楽しく迷子になってみたい…。やっぱり花夢の里は、花と夢を見る場所だ。

わたなべもも(花写真・作詞・おはなし)
幼稚園在職中に作詞家デビューし、翌年退職。子どもの歌やおはなしを書き始める。その後、写真家 丸林正則 氏に出会い、花写真を学ぶ。花かごの代わりにカメラをもって、花を摘む代わりにカメラの中を花でいっぱいにする。「レンズの奥の不思議の国」をテーマとし、独自の感性を活かしたワークショップや、おはなしをテーマに作品作りをする「Story*Photo」を展開中。SONYαアカデミー講師、PHOTO*MOMOTTO主宰。花フォトももぐみキャプテン。CDと写真詩集「gradation」を発売中。
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